アメリカ会社員のビジネス英語と生活 blog

アメリカの会社、ビジネス英語とマインドフルネスや心身の健康について書いています。

転職 vs 留まる(日本とアメリカ)

私は32歳で東京からUSの本社に移るまでは2年ごとに仕事がかわっていました。住む家もアパートか実家に1~2年ごとに移動していました。思い返せばメディアの情報に流され、対して何も考えずに動き過ぎたと少々反省しています。

今思い返して、若いころに職を複数回変えて良くなかった点は

  • 若い大事な時に仕事に真剣にじっくり取り組む経験をしてこなかった。
  • 転職ごとにリセットですので、積み重ねがなかった。
  • 大組織での常識たるものを身に着けてこなかった。

逆に、若いうちに転職経験をしておいてよかった点もあります

  • 面接への恐怖が少ない。
  • 職務経歴書を書くことに抵抗がない。
  • 変化への恐怖が少ない。

現在40代ですが、中年になると転職への抵抗が生まれてきます。それは経験と蓄積がある分失うものへの恐怖がわくことと、出直しが若いころほど容易ではないという現実です。歳を踏むことで生まれた現状の安定への執着です。もし以前に転職経験がなかったらその恐怖はなおさらでしょう。そういう点で、若いころに経験しておいてよかったと思います。

アメリカ事情

アメリカに来たときはL1ビザという転職不可能のビザで始め、途中でH1(一般的な労働ビザ)に変更し、転職が可能となりました。しかしH1で転職する場合、新しい雇用主がH1ビザのトランスファーをする必要があります。そのため、新しい雇用主が国際的な大きな会社でビザの扱いになれている、何らかの特別な理由があってあなたをどうしても採用したいという状況でない限り、H1ステータスでの転職は現実的ではありません。そのため、私はアメリカにきてからは”転職を一切考えない”という方針にしました。現在は自由に動けるステータスですが、同じ会社の同じ部署に10年弱も勤続しています。

初めて長期勤続をしてきて、転職しないという戦略がどういうことか見えてきた部分もあります。

  • 引っ越ししたくない(東京と違い、多くの場合、転職は引っ越しを伴います。車出勤ですので渋滞する方向かどうかということは最大の関心事です)
  • 会社の福利厚生がよいのでこのままでいたい(アメリカは会社によって保険、年金、410k、有休、祝日が非常に大きくことなります。特に医療費は日本の比にならない高さですので、福利のよい大企業からでることは危険です。この点は日本ではあまり気にする必要はありませんよね)
  • マネジメントやリーダーシップの役職に興味がないからここで普通にやっていけるなら動く必要はない(高い役職は高収入かもしれませんが、ストレスが高いです。知識技能で行きたいか、管理職になりたいか、この2択への意識はアメリカでは日本より強いです)
  • 他社よりレイオフの可能性が低い(アメリカはレイオフが普通にありますので、現職のレイオフ率が低い場合やレイオフ対象者への取り計らいが良い会社の場合、むやみに出たいとは思いません)
  • 勤続が長い人には仕事がよくでき、信頼できる人るが多い(長くいるからよく知っているというのもありますが、詳細までしっかり確認して仕事をする人が多いように思います)

どうでしょうか?アメリカ人は意外に保守的なところもあります。アメリカは大変に生活コストが高く、生活の安定を死守するというモチベーションが高いです。

 

個人的な結論

動かないという決心をして約10年経ちました。若いころできなかった”じっくり仕事をする”ことができました。わからないことなどを放置せずに、苦手を放置せずに、逃げない辛抱強さも付きました。過去の遺産も引き続き自分で背負わなければなりませんので、毎日の仕事を説明ができるように進める意識が高まりました。その一方、”頑張る”日々からシフトして、新しい冒険をしてみたい、そろそろ頭をリフレッシュさせたいという気持ちも高まってきています。

長期勤務か否かは、どちが各々にとって自然かということなのかと思います。しかしながら、どちらが自分に向いているのかは、本人にもよくわからないものです。本やYoutubeの情報に漬かりすぎて本心がわからなくなっている可能性も高いです。私はメディア情報に影響を受けていましたし、今も無意識のうちにそういう情報に転職へのプレッシャーを受けていると思います。ここアメリカで、mobilityを失った(転職できない)ことで動かない決心をすることになり、動かない経験をしたこは大きな学びでした。メディアに流されず、転職の容易さに乗ずることなく、開いた心で自然の波にのれることが最高ですね。