アメリカ会社員のビジネス英語と生活 blog

アメリカの会社、ビジネス英語とマインドフルネスや心身の健康について書いています。

アメリカの大企業で効率よく昇進する/報われるための法則1

アメリカの大企業(現地雇用)で10年間勤めていますが、大きな会社のアンブレラの中の小さな組織だったのがいつのまにか大企業の大組織の一つとなりました。この大きな変化を通して、アメリカの巨大企業において効率よく昇進する(報われる)ための法則が明確に見えてきました。もちろん会社、業種や組織によって違います。しかし大企業において共通点があるのではと思いますので、その法則について書きたいと思います。

アメリカの大企業で効率よく昇進する(報われる)ための法則:

(報われる:昇進ではなくても昇給や高く評価される(ボーナスup)のような場合)

 それは、”上司と私たちとのチームワークで目立つ”です。

それでは以下の3項目に分けて詳細をまとめます。

  • 私たちへの昇進/昇給は’上司’と’上司の上司’との合意できまる
  • 上司の成功=上司のチームの成功
  • 私たちは上司のチームの成功のコントリビューター

 

  • 私たちへの昇進/昇給は’上司’と’上司の上司’との合意できまる

私たちへの昇給等は私たちの上司の一任ではなく、その上の上司の合意が必要です。上司の上司が私たちの上司を肯定的にみていれば、私たちの上司の提案がスムーズにとおる、ということになります。よって上司の上司に認められている(=上司の成功)ことは重要な前提条件です。

上司が上司の上司に認められているとはどういう状態でしょうか?それは上司が上司の上司と日常的にポジティブで活気のあるコミュニケーションが行われており、このチームが活発に良い仕事をしていることが認知されているという状態です。

上司の上司に自分のチームに対して良い印象を持ってもらうことはそれなりの努力を要します。なぜならば上司の上司には通常、複数のマネージャー等がレポートしており、複数のマネージャーみんなが頑張って自分のチームのアピールをするというcompetitionの中にあるからです。

上司は日頃からチーム員の仕事ぶりを上司の上司に話しています。上司が気を引くように工夫して話しています。それほど重要な案件でなくても、上司の上司がその業務に大切さを理解できるように話します。AさんとBさんが特に上司の気を引いたとしたら、上司の上司にもAさんとBさんの話が多く伝わります。こうした印象付けを続けておいたことによって、年末なりの評価の時に上司の上司が「あぁAさんとBさんね、そうだね」と合意してくれるわけです。

したがって、上司の上司が上司を肯定的にみているという関係が、チーム員が効率的に報われるための大きな力になります。

  • 上司の成功=上司のチームの成功

上司の成功とは何でしょうか?それは上司のチームが成功印象を醸しだしているということです。成功印象とは、活発、良いチームワーク、そして何かとそのチーム員の名前がよく出てくるとか、そういう印象があげられます。(営業やマーケのような部署では成績のほうが重要かもしれません…)ですので上司の成功=上司のチームの成功という等式見えてきます。大組織の上司の上司となると、実務を全く知らなかったりします。ですのでこういう”活気のある良い印象”がものを言ったりします。

補足ですが、アメリカでは幼少期から自ら周囲の注意を引いてなんぼという教育を受けています。小学校で発言の機会があればみんなが勢いよく手を上げます。この環境で目立てなかった人は存在を忘れられてしまいます。大企業でLeadership memberとして活躍している人たちはこうした生存競争の勝者であり、闇に埋もれたいい仕事を探し出すというマメな発想は通常期待できません。アメリカでは積極的に自分(自分たち)を明るみに出さなければ、わかってはもらえなえません。

  • 私たちは上司のチームの成功のコントリビューター

上司の成功=チームの成功ですので、チーム員一人一人にできることは、そのチームの成功印象を築くためにContributeすることです。アメリカの企業では上司と週一回のone on one meetingを持って、報告、相談等の機会をルーティンに設定することが一般的です。重大案件ならもちろん話しますが、日常の地味な業務にもスポットライトをあてて、なぜそれが大変/大切であるか(例えば、実は重要プロジェクトの一助になった、complianceを守ったなど)をしっかり話します。何が上司の上司との会話の種になるかわかりません。上司はその地味な業務を重要と判断して上司の上司に話したいと思うかもしれません。大きな成功というのは頻度が少なすぎます。日常業務をappreciateして、明るみに出してあげることが大切です。そういうことの積み重ねでチームの成功印象が構築されていきます。

  • まとめ

小さな組織では個人のパフォーマンスが表面に出やすいと思いますが、巨大な組織ですと、high priority projectを持ち続けて高いパフォーマンスを出し続けない限り、個人で認知されることは難しいです。また、小さい企業ではチーム員の昇給等は上司の一任の力が大きくなります。巨大組織においてはチーム全体で成功印象を作り、それによってチーム全体が認知される、というのがより合理的な法則であるように思われます。私たちにできることは上司が上司の上司に肯定的にみられる関係を築くためにいい仕事をするこであるという法則が見て取れます。そして上司も複数のマネージャーとのcompetitionの中で頑張っています!

いかがでしたでしょうか?賛否両論だと思いますが大きな組織にはある傾向ではないかと思います。ご意見などお聞かせいただけたら嬉しいです。ご訪問いただきありがとうございました。