アメリカ会社員のビジネス英語と生活 blog

アメリカの会社、ビジネス英語とマインドフルネスや心身の健康について書いています。

アメリカ企業のレイオフ(Layoff) - 続編

今年はアメリカの大企業で、レイオフがお祭りのようにそここで行われています。うちの会社も同じです。あっちこっちのブランチで行われています。今日は私のいる事業部に起こったレイオフのお話の続編です。もしご興味があれば前回のお話もご覧ください。

3月初めにまず事業部のR&Dを始めとしたエンジニアの多くが一斉にレイオフの通知を受け取りました。40%のレイオフとのこと。今回のレイオフは事業部を閉じる(elimination)ですので、大きなレイオフです。私の事業部の人と製品は3つの別の事業部に移されることになりました。

3月中にR&Dはレイオフと組織変更が決行。R&Dの同僚たちは既に新しい上司にレポートし始めました。私のいるRegulatoryという部署は先日まで上層部の中で極秘精査中でした。私たちはそれでもbusiness as usualという感じで同じように仕事をしながら、なんとなく不安に思ったり、履歴書とLinkedinをアップデートしたりして過ごしていました。

そして2日前、ようやくRegulatoryも組織変更がConfidentialで、関係者だけに通知されました。ほとんどの同僚は予測通りにそれぞれ別の事業部への異動となりました。私たちの上司とその上司はレイオフされてしまいました。それも悲しいことに予測どおり。

 

このおおきなレイオフを通しての心理的変化

悲しみとちょっと怒り:

R&Dの同僚たちの多くがレイオフされ、すごく頼りにしていた人とか、Inspiringだなと思っていた人も含まれていたわけで、悲しくてちょっと涙がでることもありました。

ソワソワ、集中できない:

そして自分たちの行先が不明な2か月弱の間、履歴書を見直したり、同僚とそういう話が多くなったりして、みんなでソワソワと集中できない日々がありました。

実感、重い感じ、そして前向き:

そしてレイオフ通知から30日がたって、オフィスがガラガラになり、さらに深い実感があり思い気持ちが立ち込めました。その反面、変化を受け入れる感覚も出てきて、Optimisticな感じにもなりました。

悲しみ、タンパクな感じ

そして、ついに移動と上司のレイオフが明らかになった時、涙も出ましたが、不思議と気が軽くなりました。どうしてかというと、仕事や会社というものへの執着のようなものがすっと消えるのを経験したからです。

怒りとか悲しみとか、そういう気持ちは全然ありませんでした。どの事業部でもどの会社でも、その他の仕事でも、何でもいいや、という風に思えて、そうしたらこの会社/この職種でうまくやっていかなければ!という自作のプレッシャーのようなものがなくなったのです。

会社へのLoyarityがなくなったとも表現できるかもしれません。でも仕事/会社/キャリアへのAttachment (執着)あるいはプレッシャーの重みがすっと消えたという方がぴったりな感じがします。

 

自分は本当に組織のコマなんだって、改めて経験を通じて実感できたんだと思います。頭ではわかっていたことです。会社員は大きな組織のコマであることは重々周知のこと。でもそれが経験を伴って初めて深く理解しました。そうしたら、仕事/会社にタンパクになり、それによって仕事/会社に強い執着があったことが分かりました。そして執着に気付いたことで、その荷を下ろすことができた。重い荷物をずっとしょっていたんだなと。

これを読んでいると落ち込んだのではと思われるかもしれませんがその逆。興奮しているわけでもありません。感情はフラット。長いこと背負っていた重荷に初めて気づいて、荷下ろしできて、体が軽くなった、そういう感じです。ある意味この悟りがもっと早く起こっていたら今頃全然違う生活/仕事をしていたのではないか?と思います。

30日後から正式に新しい上司のもとにつき、新しいグループに入ります。どの事業部も別の州ですがSurivors(サバイバー=レイオフされなかった人たち)はリロケーションなし。サバイバーは今後もこのオフィスに来て、別の上司にレポートするかもしれませんが、毎日一緒にランチするし、話をします。この先1、2年をかけて跡形もなく変化するかもしれません。それが容易に想像できる状態にあると、不思議と変化に対抗することがなくなりました。